独自の介護サービスを展開してる優良事業所をご紹介します

さくら倶楽部/池川内科神経内科
さくら倶楽部/池川内科神経内科
愛媛県で最初にスタートした小規模多機能居宅介護サービス
―― 開設の経緯を教えて下さい

 

 グループホームの立ち上げも東温地区ではうちが一番早かったのですが、今回の小規模多機能居宅介護については愛媛県で一番最初の事業者になりました。事業としての採算性の問題、人員配置の問題などいろいろ考えると踏み切れないという声が大勢でした。そんな中で踏み切ったのは理事長の決断でした。「やはり困っている人がいるんであれば採算云々いっている場合ではない、まずは利用できるサービスが存在して始めて何かなんだ」「やりましょう」の一声で始まりました。

 開業以来の理事長のこだわりは、ひとつはこの地区に新しい風を入れていくこと、もうひとつは出身地でもある東温市に住まわれている地域の患者さんのために何ができるか常に考えてきたということがあります。 医療も介護も制度があります。制度に助けられている人もいますが制度の狭間で困っている方もいらっしゃいます。これは使えません、あれは使えません、これをつかうと料金はこうです、と経済的な制限や法的制限があって困っていらっしゃる、そうしたことを解決するためにこの小規模多機能居宅介護は有効なのではないか、今まで必要と思っても提供できなかったサービスが提供できるようになるのではないかと思えたことです。

 例えば利用者さんが家にいて急に体調を崩して具合が悪くなった、病院にいかなくてはならない、小規模多機能なら、通院介助という項目がありますからすぐ迎えにいって科目を問わず病院にお連れし、また家に送ることが出来ます。緊急の事態が発生した時にも訪問で対応できるのです。登録しておけばかゆいところに手が届く二四時間三六五日の対応が小規模多機能居宅介護のよいところですね。 ただ原則として三〇日間ご利用がない方はいったん登録から外させて頂いています。登録を希望される潜在的な利用者さんがいらっしゃいますから、そうした方のために空けてもらっています。定員は二五名ですが登録者は平均すると二〇名前後で推移しています。

 うちでは訪問系の介護通所介護、泊まり系ではグループホーム、とそれぞれの介護の経験があります。そうした経験を小規模多機能居宅介護に生かそうとしています。小規模多機能居宅介護は通う・泊まる・こちらから訪問する、の三つの柱が初めて融合したサービスになっているわけですから。でも三つのバランスがきれいにとれるまではある期間が必要だと思います。新しいことですから試行錯誤でやっていく部分があります。もう少し時間がたち、落ち着いてきた時点で始めて利用者さんにも満足してもらえるのではないかと楽しみにしています。現状はまだまだ勉強中です。
―― 利用状況を教えて下さい

 

 はじめる前の予測は、訪問の部分でひんぱんに夜間に呼び出されたり、お手伝いさん感覚で呼ばれることが多いのではないかと心配したのですが予想に反してそのようなことはありませんでした。

 通いの部分はデイケアからの移行者が多いですね。その方たちにとって何が今までと違うかというと、自宅にいる日や夜間にも緊急訪問介護の機能がついているということが安心材料になっていますね。

 宿泊は八室九名が定員です。この宿泊サービスが、制度の狭間で困ってらした方たちにフィットしていて、利用が多いですね。在宅でのご家族の介護疲れ、しかし本人に行くところは無い、どうしていいかわからない、だんだん歓迎されない状況になる、でも小規模多機能でしたら泊まり機能がありますから登録さえしておけば、いざという時にも、ある程度の期間にわたっても利用できます。一杯でお断わりしたことはありませんが満杯になったことは幾度かあります。平均すると八割くらいの利用率でしょうか。  
―― 拡大の可能性と方針は

 

 現時点の感想で言いますと、登録が満杯にならない理由は二つあるように思います。ひとつはこの情報がまだ皆さんに知られてないこと。現時点では小規模多機能居宅介護サービスは住民に周知されていません。もう一つは多くの利用者が既存のサービスで満足していてわざわざ利用形態を変えようと思われていないことですね。

 現段階ではすぐに他の地区に二番目を開設する状況にはありません。また、今後事業所サイドが運営しやすいように制度を持っていかない限り将来の普及は難しいのではないでしょうか。小規模多機能居宅介護の内容は地域に密着した優れた介護方法なのですから、沢山の事業所が参加されるといいのですがそうなっていません。最初はこのあたりだけでも七〜八軒手を挙げられたのですが結果的には実現されませんでした。

 私たちは地域の方たちに貢献できることを仕事をするうえでの一番大切なテーマとしています。それに向かって皆で力を出し合って取り組んでいきたいと思っています。
―― 取材後記

 

 取材中は主に事務長の鳥越さんが話されたが、総師長の菅野さんに対しては現場で長くやってこられたベテランの方への若い世代からの敬意とその体験に基づいたノウハウを後の世代に遺して頂きたいという希求が表明された。 菅野さんの方も若い世代の勉強熱心を賛美され、聞いていてともに介護や医療のサービスの質を上げていく姿勢が感じられられ心強い思いをした。 菅野さんは最後に言われた。「入所すればお仕舞い、登録すればお仕舞いではありません。そこから始まります。利用者とそのご家族、近所の方の意見、皆さんの意見に耳を傾けて運営していくことこそが大切と思っています、」と。
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